前回の続きになります。
イノベーションを興すの本には、下記の3つが重要だと述べられており、それらがうめねこの所属する部ではどうなっていてどうすべきかを引き続き考察します。
- 筋のいい技術を育てる
- 市場への出口を作る
- 社会を動かす
筋のいい技術を育てるためのマネジメント
企業での研究・開発部門での工程管理手法として、
- 技術開発のロードマップを作成して
- マイルストーンを設定して
- それをもとに、各担当者が本年度のスケジュールを設定して管理する
のが一般的ではないでしょうか(それがいいか別にして)。マネージャーは、やることは簡単で各々がスケジュール通り進んでいるのがチェックすればいいわけです。マネジメントって簡単ですね。
ただ、この計画厳守によって新たな発見への追及が出来なくなることによりイノベーションが生まれなくなる懸念があるとこの本で書かれておりました。研究・開発を熱心に取り組んでおり常に考えている人は、思わぬ偶然のきっかけに気づくことがあります。しかし、この工程管理による計画厳守によりイノベーションの種になる偶然を見つけても、追えなくなってしまいます。自己の技術の探究心が思わぬ成果を導き出す可能性があるため、偶然のきっかけを追えるだけの自由度がないといけないと書かれておりました。
マネージャーは、この偶然のきっかけに対しある程度は計画を逸脱して研究・開発させるマネジメントが必要とのことです。どの程度許容するかは、マネージャーの重要な判断ポイントであり、どの偶然のきっかけを追求させるかはマネージャーの筋の良い技術を嗅ぎ分ける力にかかっているわけです。
うめねこのマネージャーのケース(筋のいい技術を育てるためのマネジメント)
うめねこのマネージャーも上記の工程管理手法を用いて管理しております。ただ、うめねこのマネージャーがつくる技術開発のロードマップには、
2020年度末までに 性能○○%UP コスト○○円DOWN
2021年度末までに 性能○○%UP コスト○○円DOWN
2021年度末までに競合相手より高性能低コスト達成見込み!
という数値目標しかなく、具体的な技術的戦略はありません。
マイルストーンに関しても、
2020年6月末 検討完了
2020年8月末 検証完了
2020年10月末 設計完了
2020年12月末 試作完了
2021年3月末 実証完了
2021年4月より販売開始見込み
という感じで具体的なことは部下に丸投げです。そして、各々にスケジュールを作らせそれ通りに進んでいるか管理するだけです。これはうめねこのところだけでしょうか?
そして、イノベーションを興す上で重要な偶然のきっかけを追えるだけの自由度に関しては、ほぼありません。その1でも述べましたが、まずは否定から入る人なので、開発を高い確度で加速できる提案以外はやらせてもらえないです。そもそも、マネージャーが立てたロードマップやマイルストーンが無茶な計画なので、普通にやってても計画通りこなすのは無理なのに計画を逸脱して研究するなんてもっての外です。そのような状態なので、皆探求心を失っておりイノベーションなんて生まれそうもありません。
その3に続きます。