うめねこ分析

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失敗の本質|日本企業でのマネジメント

こんにちは、うめねこです。

 

うめねこは、とある会社の研究開発部門で働いておりますが、部長のマネジメント能力の無さにガッカリしている毎日です。部長は何の戦略も方針もなく、部下に精神論で無茶な目標を達成させようとしており、第二次世界大戦時の日本軍のようになってしまっております。

第二次世界大戦時の組織にフォーカスして考察された名著である失敗の本質という本を改めて読んで、我々日本人は第二次世界大戦時の失敗から何も反省しておらず、企業の一部署にて同じ失敗を繰り返すのだと感じました。 本当に素晴らしい内容なので、是非マネジメントする立場の方に読んでもらいたいです。  

 

本書では、日本人の作る組織がうまくいかない理由を下記のように説明しておりました。

失敗の本質1|あいまいな戦略目的

何かを行うときに最初にゴールを定めてアプローチしていくべきですが、目的もアプローチ方法もあやふやなまま漠然とした目標に対し、皆が担当範囲で各々行動することが失敗の本質のその1であると本書では述べられております。

至極当たり前なことですが、うめねこの部署もそうですが実際に出来ていないことが現実です。最終的なイメージが出来ていないとどんどん本来の戦略目的から脱線していき、目的と結果が結びつかないケースがあるかと思います。目標を3つぐらい定めることもありますが、優先度があやふやな複数の目標があると中途半端な結果となり失敗してしまっているでしょう。

マネージャーがしっかりと目標と戦略を立てて、それを部下にしっかりと理解させ、マネージャーが旗振り役となり一丸となって取り組んでいく必要がありますが、それがうめねこの部署では出来ていない(涙)。

 

失敗の本質2|短期的思考

旧日本軍が国力において圧倒的に勝っているアメリカに対して、普通に戦ったら勝つことが出来ないことは分かっていたことだと思います。その高過ぎる目標に対して適切な戦略を立て実行できたかと言えばそうではありません。うめねこの部署でも、世界一のコストパフォーマンスという高過ぎる目標に対して、適切な戦略を立て実行できておりません。

日本人は、改善活動のような場当たり的に対処していくことは得意ですが、そのようなちびちびとしたものを潰していっても高過ぎる目標に届かないことは分かっていながら、短期的思考を捨てず現実逃避して大きなブレークスルーを生み出すことが出来ていないことが実態だと思います。今までの業務の延長線上に解はなく、大きな変化を起こさなきゃいけない、その大きな変化をどう起こすか高過ぎる目標に対する戦略を立案することが第一にすべきことであるはずです。

 

また、戦略を立案する組織にも注意が必要です。日本の組織の悪しきところとして、組織メンバー間の間柄に対する配慮が必要であり、これが意思決定を遅らせる原因や良い戦略を立案したとしても潰されることに繋がります。逆に組織メンバー間の間柄に対する配慮が上手くいったがために悪い戦略が進められた例もあります。それがインパール作戦です。その作戦の失敗から立案者の牟田口廉也は愚将と言われておりますが、本書を読むとその無茶な作戦を採用してしまう組織に問題があることが分かり、稀なケースではなくうめねこの部署でも起こりうることだと感じました。

 

失敗の本質3|責任の所在が不明

日本の組織において責任の所在があやふやなことも問題の一つです。うめねこの部署には、責任者はおるにはおりますが、正確に言うと権限を持たない担当者が責任を多く有しているだけで責任の所在がはっきりしません。普通は権限を有する上司が責任を負うべきですが、ドラマの半沢直樹でのセリフで「部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任。」というように、部下は上司の指示で動いたのにも関わらず責任を取らされるのは行動した部下という理不尽な組織になっていることがあると思います。


また、会議において論理よりも声の大きい年配の人の意見が通りやすいことも問題です。もしその意見が採用され、実際に行動を起こしたところ大失敗したということになっても、その発言に対して責任を負う必要がないことが一般的です。良かろうと思いベラベラ意見を言いますが、そういう人は自律的に動かず口だけであり責任を有さないため、そういう人が会議にいることは危険です。

 

失敗の本質4|環境に適応する自己革新組織ではない

失敗の本質2の短期的思考に関連しますが、既存のものを極限まで改良することは得意ですが、既存の知識を捨て新たなものに取り替えることが出来ないことも失敗の本質として挙げられます。旧日本軍は、日露戦争に運よく勝利してしまったことで特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎて学習棄却ができず自己革新能力を失ってしまったと言えます。

環境への適応は急激な変化への適応能力を締め出すことになります。ダイバーシティが大事であると、近年の新人研修で必ず言われることですが、ダイバーシティの重要性を真に理解する必要があるのは上の立場の人たちであると思います。既存の知識を捨てられない上の立場の人たちがダイバーシティを締め出しているからです。 

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失敗の本質という本では、第二次世界大戦時の旧日本軍の実例を基に上記の組織の問題点を考察しており、今も昔も同じような組織の環境であることから読んでいて感情移入しやすくなんだか悲しく感じますが、日本の組織に関して非常に勉強になる素晴らしい名著であることは間違いないと思いますので、是非読んでみて下さい。

 

過去にイノベーションを大企業で興すにはを考察した記事を書きましたので、ご興味がございましたらご覧下さい。

umegae-t.hatenablog.com